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仏壇の供物と供花
仏壇へのお供えは、菓子や果物ばかりではありません。線香や花も「お供え」といいます。宗派によって多少の違いはあります。
「香」、「花」、「灯燭(灯明)」、「浄水」、「飲食」の五つを「五供」といい、これがお供えの基本です。
香/お線香のことです。焼香に使う「抹香」でもいいのですが、抹香には種火が必要。毎日の礼拝では手軽なお線香を使います。お線香を焚くと、仏の慈悲の心がすべての人々に差別なく行き渡るように、香が部屋中に行き渡ります。
●花/供花はできるだけ新鮮な生花を飾るようにしましょう。
●灯燭/仏壇を照らす明かりとして、ろうそくが欠かせません。ろうそくに火をつけるときは、ライターではなくマッチでつけ、燃えかすは香炉ではなくカス入れに。礼拝がすんだら手であおいでろうそくの火を消します。
●浄水/本来は清浄な場所から詼み上げた水を供えるのですが、水道水で代用します。お茶を供える場合は一番茶を供えます。
●飲食/白分たちの食べている主食を供えます。朝と夜、炊きたてのご飯を自分たちが食べる前に仏飯器に盛って供えます。
<仏壇の例は愛の基本
仏壇に向かっておがむことを「礼拝」といいます。礼拝は毎日、できれば朝食前と夕食後に、家族そろって行うのが正式な作法です。礼拝は次のように行います。
- 仏壇の前にきちんと正座をし、数珠があれば手にかけて、軽く一礼します。
- ろうそくに火をともし、その火で線香に火をつけて香炉に立てます。鈴を2回、打って鳴らし、合掌します。
- 数珠をかけて合掌し、できれば読経しましょう。読経が終わつたら鈴を2回、鳴らします(読経しない場合には2度目の鈴は必要ありません)。
- 最後にろうそくの火を手であおいで消し、軽く一礼して終わります。朝の礼拝後は、二重扉の仏壇は内扉だけを閉めます。夜の礼拝後には、外側の扉も閉めます。
お線香の供え方
お線香はろうそくの火つけます。炎は息で吹き消さずに手であおいで消します。本数や供え方は宗派によって異なりますが、朝の礼拝は3本が一般的です。仏様と先祖と自分の信心を願うという意味合いです。
●正しい鈴の打ち方
鈴の音が長く響くほど邪念を取り払うと言われています。きれいに響かせるためは、鈴棒を立てて横から打つようにします。棒を横にして上から縁を打ってもあまりよく響きません。
仏壇の手入れの仕方
仏壇や仏具は日ごろからきれいにしておきたいものです。ホコリをかぶっていたり、供花が枯れていることなどのないように、毎日簡単にからぶき程度の掃除はするようにしましょう。本格的な掃除は年に数回で十分です。個人の命日、お彼岸、お盆、年末などを迎える前に行うのがよいでしょう。大切な日をきれいになった仏壇で、気持ちよく迎えることが出来ます。
本格的に掃除をするときは、本尊に合掌し、礼拝してから行います。仏壇の手入れのポイントをまとめてみました。
〈手入れのポイント〉
●全体 仏具を取り出し、羽根ぼうきなどでゴミやホコリを払います。
●本尊・掛け軸 羽根ぼうきや筆先などでホコリを払います。傷をつけないようにやさしく扱いましょう。
●仏具類 やわらかい布でからぶきをします。仏飯器、茶湯器、花立てなどは、内側まで丁寧に洗い、水気を完全に拭き取ります。金属製品は、金属用の研磨剤で磨いたあと、やわらかい布でふきあげます。
●漆塗りの部分 ガーゼなどのやわらかい布で、やさしくからぶきをします。かたい布を使ったり、力を入れて強くふくと傷がつきます。
●金箔 仏壇や仏具の金箔は、絶対にこすってはいけません。毛はたきを使って軽くはらう程度にしておきます。また、手で直接さわると指紋や脂がっくので気をつけましょう。