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尊厳死という選択

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尊厳死

尊厳死とは、不治の病の末期でまったく助かる見込みがない場合、人工呼吸器や何本ものチューブにづながれていたずらに延命させられるのではなく、「本人の意志を尊重し、人間らしく自然に死を迎え元る」ということです。

安楽死と混同されがちですが、安楽死は苦痛を訴えている患者に薬物を投与するなどして積極的に死期を早める行為です。一方、尊厳死は人工的な延命行為を辞退して、静かに死を迎えようとする考え方です。

医療の進歩により、かつては救えなかった命が救えるようになりました。しかし、その一方で、過剰な延命治療に対する批判も起こっています。回復の見込みがなくなったときに、どの程度の延命治療を行うべきか。これは家族にとっては大きな問題です。1秒でも長く生きてほしいというのは当然の思いでしょうし、早くラクにしてあげたいと思うことも偽らざる気持ちでしょう。

このようなケースに対応するためには、あらかじめ本人が意思表示をしておく以外に有効な手段はありません。意思表示といっても、口頭で伝えただけでは効果は期待できません。きちんと書面にしておかなければならないのです。

意志表示として「自分は延命治療を望まない」ということを公正証書にしておく方法があります。それを治療に際して医療機関に提示するか、代理人に依頼して医療機関に伝えてもらうことで、自分の意思を伝えるとができます。

日本尊厳死協会とは?

尊厳死を選択するには、日本尊厳死協会に委託する方法もあります。同協会は1976年に設立された民間団体で、自然な死を選ぶ権利を確立する活動をしています。2014年現在、会員数は12万人を超えているそうです。

協会に委託するためには、会員になって「尊厳死の宣言書」(リビングウイル)に署名・押印します。宣言書は協会が保管し、本人と家族にはコピーが渡されます。必要になったときには、まず、本人か家族が医療機関に宣言書を提示して尊厳死の意思表示をします。医師の理解が得られない場合には、協会が働きかけてくれます。

宣言書に法的な強制力はありませんが、協会によると、提示した際に医師の理解が得られるケースが約96%だということです。同様な活動を「終末期を考える市民の会」でも行っています。

「尊厳死の宣言書」で宣言する内容

日本尊厳死協会では「尊厳死の宣言書」(リビングウイル)を発行しています。この宣言書には、以下のような内容が記載されています。

傷病が現在の医学では不治の状態であるり、すでに死期が迫っていると診断された場合には、いたずらに死期を引き延ばす為の延命措置は一切お断りします。

ただし、苦痛をやわらげる処置は最大限に実施してください。そのために死ぬ時期が早まったとしても一向にかまいません。

数カ月以上にわたって、いわゆる植物状態に陥った時には、いっさいの生命維持装置を取りやめて下さい。(「尊厳死の宣言書」より。一部省略しています。)

日本尊厳死協会 http://www.songensi-kyokai.com/




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