葬儀でお世話になった寺院・神社・教会へのお礼とあいさつ回りは、なるべくなら翌日に、遅くとも翌々日までには行います。喪主が一人で行くのではなく、遺族代表とふたりで出向いたほうがより丁寧です。服装は、平服でもかまいませんが、喪服に準じた地味なものにしましょう。
どうしても葬儀後の日程の都合がつかないときには、葬儀の当日、精進落としの後に謝礼を渡してもかまいません。その際には、「本来は直接おうかがいしてお礼を申し上げるべきところでございますが」と、きちんとお詫びをしてからお礼をするようにしましょう。
謝礼は、奉書紙に包むか白い封筒に入れます。先方に不幸があったわけではないので不祝儀袋は使いません。封筒は袱紗に包んで持参し、渡すときには袱紗を開いて封筒を菓子折や盆などにのせて差し出します。この際には、表書きが相手のほうからから読めるように、向きに気をつけましょう。
目次
謝礼の金額・表書き
寺院への謝礼は、通夜、葬儀、告別式、還骨回向、そして戒名まで、すべてをひとまとめにして包みます。謝礼の金額は、基本的には葬儀の規模や故人の地位、僧侶の人数や地位、寺院の格、遺族の経済状態などを考慮して決められるのもので、目安としては10~50万円と大きな開きがあります。どうしても自分で判断がつかない場合には次のような方法があります。
- 檀家総代などに相談する
- 世話役に相談する
- 葬儀社に相談する
- 寺院に直接尋ねる
最近、寺院によっては「規定抖金」のようなものを定めているところもあります。神社や教会への謝礼も基本的には寺院と同様に行います。ただし、相手によって謝礼の表書きが違うので注意が必要です。
寺院への謝礼の表書きは「御布施」です。戒名料や読経料などと書かないようにしましょう(戒名料や読経料などすべてを合わせて御布施といいます)。複数の僧侶を招いた場合には、導師(中心的な僧侶)以外の僧侶への謝礼は、「御礼」として別包みにして導師に預けます。
神社への謝礼は「御祭祀料」、または「御礼」です。斎主、斎員、伶人(楽師)それぞれに包みます。
教会への謝礼は「献金」とします。牧師や神父、聖歌・賛美歌の伴奏をしてくれたオルガン奏者などには別に「御礼」を包みます。
お世話なった人へのお礼
葬儀では、宗教関係者以外にもたくさんの人にお世話になりま。これらの人々へのお礼も忘れずになるべく早めにしましょう。
世話役・世話役代表
世話役へのお礼は、精進落としの終了後「御車代」として渡します。さらに、世話役代表や葬儀委員長には、後日あらためて出向いてお礼を述べます。
ご近所
葬儀を手伝ってもらった人はもちろんですが、車や人の出入りで迷惑をかけた隣近所にもお詫びをかねてお礼にうかがいます。特にお世話になった大には菓子折などのお礼を持参しましょう。
故人の勤務先
勤務先へは、必ず事前に電話連絡をしてからうかがうのが礼儀です。直属の上司や同僚、部下などに丁寧にお礼を述べます。菓子折などを持参するといいでしょう。
故人の机やロッカーなどの私物を整理し、「遺族厚生年金の請求」、「給与や退職金の精算」など、必要な事務手続きを行います。お礼やあいさつは、できれば初七日までにすませます。服装は地味めの平服でかまいません。