葬儀が終わったら、しばらくは遺骨を自宅に安置しておきます。納骨の時期についての決まりはなく、四十九日の法要の際に納骨するのが一般的です。
ただし、長男ではないためにお墓がないなどの場合には、一周忌までにお墓を建てて納骨することも多いようですが、遅くとも三回忌までには納骨します。
なお、地方によっては葬 儀の当日、火葬後に、初七日と四十九日の法要をあわせて行い、納骨まですませてしまうところもあります。
納骨までの間、遺骨を自宅に安置しておくときは、仏壇の前や床の間などに台を置いて祭壇をつくり、そこに安置します。祭壇には後飾りを施し、水とご飯を供えて供養します。四十九日までは、通夜や葬儀に参列できなかった弔問客が訪れることも考えておきましょう。
お墓を建てるまでに時間がかかりそうなときには、寺院や墓地の納骨堂に、一時的に仮納骨することも可能です。費用は施設によって異なりますが、たとえば東京の都営霊園では、年間2800円で、最長で5年まで預かってもらえます。
なお、お墓をつくらずに「納骨堂」や「永代供養塔」に遺骨を収蔵することもできます。
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納骨の手続き
納骨の際には「埋葬許可証」を忘れないように持参しましょう。埋葬許可証は火葬のときに提出した火葬許可証に記入・押印されたものです。
新しくお墓を建てる場合など、火葬から納骨までに数年かかることもあるので、紛失しないように管理しておきましょう。多くの場合、火葬場の係員が骨壷を納める白木の箱に入れてくれます。このほか「墓地の使用許可証」や印鑑も忘れずに持参します。
納骨日は、菩提寺の僧侶と相談して決定します。菩提寺がない場合には、墓地の管理事務所などと連絡をとって日程を決めましょう。
納骨するときには「納骨式」を行います。四十九日や一周忌の法要とあわせて行うのが一般的です。お墓を新しく作った場合には、納骨に先だって開眼法要も行います。
納骨式は、親戚や故人の親しい友人などで、厳粛に行います。施主か遺族代表が遺骨を納めたら、読経、焼香を行い、式後、会食(お斎)をするのが一般的です。
仏教以外での納骨の場合
神道の納骨
神道では火葬、骨揚げに引き続いて、その日のうちに納骨を行います。お墓が無い場合には、五十日祭か一年祭を目安に納骨をするケースが多いようです。納骨に際しては墓前に神官を招いて「埋葬際」を行います。
キリスト教の納骨
キリスト教では土葬が基本ですが、日本ではもちろん火葬します。納骨の時期に決まりはありません。火葬後すぐに埋葬するケースもありますし、プロテスタントの場合は、1カ月後の召天記念日に行うこともあります。