「喪に服す」という言葉を聞いたことはありませんか?近親者が死亡したときには家にこもって慎んで暮らすという意味です。特に死のけがれが強い期間が「忌」、けがれが薄くなった期間を「喪」といいます。一般的には、四十九日までが「忌中」、一周忌までが「喪中」とされています。
喪に服す近親者の範囲は、一般には配偶者と一親等(父母、子)、二親等(祖父母、兄弟姉妹、孫)の血族が目安です。故人が姻族の場合でも、同居していた場合には喪に服すことがあります。
忌中の過ごし方
死の直後、遺族は大切な人を失った悲しみに打ちひしがれています。忌中は、遺族が、日常生活から離れて死者の弔いに専念し、自らが精神的に立ち直り、と社会生活に復帰するための期間です。
ただし、残念ながら会社や学校は49日間も待っていてはくれません。忌引き休暇は、多くの場合、1週間の範囲で社会生活に戻らなければなりません。
喪中の過ごし方
喪中は、次のようなことはなるべく避けるべきだとされています。
- 祝い事への出席
- 正月飾り・初詣・年賀状
- 歳暮や中元
ただし、これらは絶対にしてはいけない禁止事項ではなく「しなくても許される」程度に考えてもいいようです。不幸の前から予定されていた慶事などで、どうしてもお祝いに出席しなければならない場合には、先方に自分が喪中であることを伝えてから出席するのが礼儀です。また、喪中のことを知らない相手には、あえて知らせる必要はありません。
喪の期間についての考え方
亡くなられた方とのかかわりの深さと、ことの重さなどによって喪の期間も異なります。①最短49日の法要まで、②100か日まで、③1周忌まで、④最長13カ月が過ぎてからなどを配慮しましょう。
年賀欠礼のあいさつが間に合わすに、年賀状を受け取ってしまうことがあります。このような場合には、1月15日以降に「寒中見舞い」として賀状のお礼を出します。
最近は、忌中でなければお歳暮やお中元を贈るようになりました。どうしても忌にかかってしまう場合には、お歳暮は「寒中(余寒)御見舞い」、お中元は「暑中(残暑)御見舞い」として、忌が明けてから贈ります。