四十九日や一周忌など大きな法要には葬儀などと同じように知人や友人が招かれることがあります。招待を受けたときにはできるだけ出席しましょう。
また、先方には引き物やお斎を準備する都合があるので、出欠のいかんにかかわらず、返事はできるだけ早めに出されなければなりません。その際には、返信ハガキにお見舞いの言葉をひと言書き添えましょう。
やむを得ない理由で法要に出席できない場合には、返信ハガキにお詫びの言葉と遺族の近況を気遣う言葉を書き添えましょう。できれば電話か手紙でおわびをしたいものです。
近親者であれば家族全員で出席するのが礼儀です。それほど付き合いがない場合には、夫婦だけか本人のみでもいいでしょう。友人・知人は本人だけで出席します。先方から連絡がない場合には、法事を内輪だけで営む場合があります。こちらから問い合わせるようなことは避けましょう。
法要への参列
葬儀から日数がたつほどに、着用する服装は変わっていきます。遺族も喪服を着用するのは三回忌くらいまでです。出席者は、四十九日までは葬儀のときと同じ略礼装でいいでしょう。男性はブラックスーツ、女性は黒や紺、グレーなど地味な色のワンピースやスーツです。「平服でおいでください」と書いてあった場合には、平服に黒ネクタイでもかまいません。
法要に参列するときには、供物か現金を持参します。式場が狭い場合や、自宅以外で営む場合には荷物になりますから、供物よりも現金のほうがいいかもしれません。式場をにぎやかにしたいというのであれば、供物を持参したほうが喜ばれるでしょう。どららにしたらいいのか迷ったら、施主にたずねても失礼にはなりません。供物は菓子や果物、生花や線香などを持参します。現金は1万~2万円程度が一般的です。
式場でのマナー
法要の会場には、開始時間の10分前には到着するようにします。遅刻は厳禁です。施主へのあいさつは「お招きに預かりまして恐縮です」でいいでしょう。その後、祭壇や仏壇の前に座って拝礼し、持参した供物や供物料として金包みを手渡します。寺院で営む場合にも、供物や金包みなどは僧侶に渡さずに、施主に渡します。
法要の席次は、基本的には故人との関係の深い人から順に前から座りますが、葬儀のときほど神経質になる必要はないでしょう。僧侶が入場するときには、正座をして姿勢を正し、軽く頭を下げて迎えます。通常、法要の際の読経は30分から40分ほどです。僧侶の合図があったら、施主から順に焼香します。焼香の作法は葬儀などと同様です。
法要が終わった後にはお斎という会食の席に移ります。お斎の席次は、法要のときと同様にすればいいでしょう。最上席に僧侶が座る以外はあまり神経質にならなくてもかまいません。施主から指示があればそれに従います。
お斎では、故人の思い出などを語りながら、なごやかな雰囲気づくりを心がけます。お酒がふるまわれることも多いのですが、ハメを外さないように気をつけましょう。引き物が配られたら終了です。
その他の法要
神道で仏式の法要にあたるのが「霊祭」です。最近は省略されることが多くなりましたが、本来は、葬儀当日の翌日祭から、死後10日ごとに行われるものです。中でも、五十日祭は忌明けになる重要な霊祭ですので、仏式の四十九日のように、盛大に行う場合が一般的です。
霊祭に招かれた場合には、なるべく出席するようにしましょう。マナーは、仏式の法要とほとんど変わりませんが、焼香の代わりに「玉串奉奠」を行います。供物料は、黒白または銀一色の水引の不祝儀袋を使います(蓮の絵柄のないもの)。表書きは「御玉串料」や「御榊料」、「御神前」が一般的です。
カトリックでは、死亡した日から3日目、7日目、30日目日に「追悼ミサ」を行うことが多いようです。これ以外には特に決まりはありませんが、毎年の命日(祥月命日)にミサを行い、節目となる10年目、20年目に盛大なミサを行うこともあるようです。
プロテスタントでは、死後1か月の召天記念日(亡くなった日)に記念式を行います。いずれの儀式も教会で行います。信者で無いために死期の内容がわからない場合には、素直に教えてもらいましょう。
キリスト教では、参列者が生花を持参するほかに供物を贈る習慣はありませんので、お金を包む場合には、表書きを「御花料」とします。