通夜やお葬式・告別式に参列したときにもらう会葬礼状に、塩の小袋が入っていることがあります。「お清めの塩」といって死によって穢れたからだを清めるために使うものです。
しかし、死を穢れと考えない宗教や宗派、個人もありますので、その場合には使わなくてもマナー違反ではありません。最近は会葬礼状に添えないこともあるようです。
お清めの塩は、自宅なら門を入る前に、マンションなら玄関ドアの前で使います。
葬儀場からそのまま仕事場に出かける場合などは、式場を出るときに足下にまいて踏む方法でもよいでしょう。
一般的には四十九日がすぎた頃、忌明けのあいさつ状とともに香典返しの品が送られてきます。このときには礼状は出さないのが礼儀です。とはいえ、黙っているのも失礼ですから「喪中見舞い」のようなハガキを出すといいでしょう。親しい間柄であれば、近況伺いをかねて電話をしてもいいかもしれません。ただし、いずれの場合も「ありがとうございました」などの礼は不要です。
その他の注意点
故人が愛用していた遺品を、生前親しくしていた友人や近親者に川ることを「形見分け」といいます。故人の遺言で行われることもあれば、遺族の判断で贈られることもあります。もし、遺族から形見分けの申し出があった場合は、素直な気持ちで受け取るべきでしょう。ただし、こちらから形見分けを依頼するのは、ごく親しい間柄でもない限り、遠慮しましょう。
家族に不幸があった場合、その年の年賀状は出しません。その代わりに12月の初旬までに「年賀欠礼(喪中欠礼)」の知らせを送ります。この知らせを受け取ったときは、こちらからも年賀状は送りません。何かの手違いで年賀欠礼の知らせが届かなくとも、不幸があったことを知っている場合には、年賀状は控えましょう。
喪中とは知らずに年賀状を出してしまった場合には、すみやかに失礼をわびるあいさつ状を出さなければなりません。